桜乃の湿った髪の毛を無意識に掴んだリョーマ

驚いたように、握られた髪の先を見つめる桜乃

2人の視線が交わった時



リョーマの高く、厚いと思われた「理性」と言う名の壁が壊れ始める





滴る雫に誘われて 2



「あ…、あのっ、リョーマ君っっ?」

目のやり場に困る桜乃は、斜め下で視線を泳がせている
目の前にはリョーマの顔がアップ
当然そっちには目をやれない


「か、髪を……」


握られている髪の毛に視線をわせて、何とかリョーマの手までたどりつく
本当は目を見て話すべきだが、ここまでが限界だった

リョーマの漆黒の瞳は桜乃のすべてを真っ白にしてしまう
心ごと持っていかれて、意識が遠のきそうな感覚に陥ってしまうのだ


「離して欲しい?」
「……………ぅん…」


小さく言うと同時に首を浅く前に振る
さっきから桜乃の顔は真っ赤で、
今にも泣き出しそうなほど目じりが下がっている

そんな桜乃を見て、何を思ったのか
リョーマは桜乃の髪の毛を掴んだまま立ち上がった


「えっ、あ、リョーマ君っっ、ちょっ、ちょ、ちょっっ」


そのままさらにリョーマは歩き出して、
桜乃は引っ張られている髪の毛に身体が追いつかないといった変な体勢になっていた
しかし長い髪が幸いして、そんなマヌケな体勢をすぐに立て直し
桜乃は大人しくリョーマが歩く方へと後ろからついていく

リョーマは桜乃の髪を離す気配もなく、階段をスタスタと上がっていった

二階に上がって、リョーマが入った部屋は
シンプルなスカイブルーを基調とする落ち着いたイメージの部屋
桜乃はすぐにこの部屋がリョーマの部屋だと察する

けれど、ここに来たところでどうすればいいのか
未だに髪の毛を掴まれたまま、桜乃は自由に身動きができないでいた

リョーマは横目で桜乃をチラリとみると、
小さくため息をついてぱっと髪を開放した


「適当に座れば?」
「あ、うん……」


キョロキョロと下を見回して、適当に座り込んだ
ぎゅっと握りしめた両手を股の上にのせて、
桜乃は背中を丸める


「あの……、リョーマくん…」
「なに。」


恐る恐る上目で尋ねる桜乃に、相変わらず冷めた言葉が短く返ってくる


「何で二階に来たの?」
「親父たちが帰ってきて出合いがしらになったら、竜崎緊張するだろ」
「え……、そんなことないよ?」


桜乃はアッサリ言う
リョーマは分が悪そうに目を思いっきりそらして顔を歪ませていた

本当はリョーマが嫌なだけなのだが、
弱いところなんて桜乃に見せたくないのだろう


「ねぇ、さっきから背中丸めて猫背になるよ」


リョーマは当てつけのように冷たく吐き捨てた


「猫背はテニスにも影響でるし、日頃から背筋は伸ばしとく!」


びしっと指をさして言うが、桜乃はどことなくモジモジしていて、
いっこうに背筋を伸ばそうとしない
すると、気まずそうな顔をしてリョーマを見る


「あの………今はちょっと…………。許して……?」


リョーマの顔色をそろそろ〜っと窺うように上目で見つめる桜乃




そんな顔されたら何も言えなくなるじゃん




そんなことを心の中で呟いて、
赤くなりそうになる顔を隠すようにまた顔をそらし、表情を前髪で隠した

二人の間に重たい沈黙がのしかかる






遠くで聞こえる乾燥機の音が、やたらと耳につく
リョーマは、小さな窓から空をのぞいていた視線をふと桜乃に向けた


「!?」


ポツ、ポツ…と、二つの突起
それが桜乃のある部分から見えていた

位置からして、もしかすると………………………もしかしてしまう





おいおい、マジで………?





とっさにリョーマは窓の外へと視線を戻して平常心をよそおおうとした
が、またチラリと桜乃に視線を向ける
やはりリョーマの瞳に映るその形

乾ききっていない桜乃の髪の雫でトレーナーが湿って、色が微妙に変わっている
それはそれで当然のことなのだが、
水分を含んだことで肌にぺたりと張り付くトレーナーは
とんでもないものの形をはっきりかたどっていたのだ


「っっ」


今やリョーマの思考は桜乃のある部分に集中してしまっていた
今見た映像を取り払いたくても、想像があれよあれよと膨らんでしまう

桜乃が身体を丸めているのはこのせいなのか、と思いを巡らせた






「ねぇ、竜崎………」

平然を装った口調で問いかけるリョーマに、
桜乃は、ん?と思わずリョーマの顔を見る


「もしかして…、した……」
「っっ!」


リョーマが言い切る前に、桜乃は両手両腕すべてで身体の前を隠した


「あ、あ………あのっっ、だ………だ………だって!!
濡れてたし、ぐしょぐしょだったし………………、それで…、そのっっ」


桜乃は顔を真っ赤っかにして、今にも頭の上から湯気を出しそうな勢いだ
その顔は恥ずかしさで失神するのではないかとまで思ってしまう

リョーマだってお年頃の健全な男子
そんな桜乃を目の前にして、見ようと意識しなくても、
無意識にソコへ視線が行ってしまう




一生懸命弁解したにもかかわらず、それは逆に桜乃の首を絞めることになった







「あぁ、もう、無理」


リョーマは桜乃から一瞬視線をそらしてつぶやく
一つため息をついて、前髪をくしゃりと掴む
すると片手を床について軽やかに立ち上がり、桜乃に近づいた


「あんた、誘いすぎだからっ」
「……ぇ?」


丸くした桜乃の瞳は、目の前にある魔力を秘めた瞳に捕らわれた


「もう、限界なんだけど、俺」
「っ?」


じりじりと桜乃に顔を近づけてくるリョーマから逃げるように
桜乃は身体を後ろにのけぞる

が、それをいいことに、リョーマはそのまま桜乃を押し倒すかのごとく
桜乃の唇に自分のそれを押しつけた


「っっ!?」


床にこつんと頭が軽くぶつかった音がすると同時に
リョーマの唇が少し離れる
ぎゅっと唇と瞳を閉じている桜乃の耳元で
リョーマのささやきが桜乃に追い打ちをかけた


「………止まらないから、カクゴして」
「ぇっ………えぇぇぇっっ、何っ?待ってっ、待ってリョーマ君っっ」


上にかぶさるリョーマの胸を両手で押し上げる桜乃
けれど細いその腕では、鍛え上げられた男子の身体を跳ね返すことなど出来ない


「ムリ、待てない」


きっぱり言い切ると、リョーマは再び潤った目の前の唇にキスをした
抵抗しようとしているのか、桜乃の鼻にかかった声がキスの隙間から漏れている
が、今のリョーマには極上の誘いの声にしか聞こえない


欲望が体中を支配する


自分と大して変わらないと思っていた身体が
こんなにも自分を狂わせるとは、リョーマ自身思ってもみなかったことだ


「誘ってるのは、あんたデショ」
「そんなっ、私はっっ…………んッッ」


口答えする桜乃をリョーマは深いキスでふさぎきる
もう十分に立ってしまっている乳房を
リョーマはトレーナーの上からコリコリと揺らした


「ふぁっっ んっっ」

口内を犯され、胸の刺激を受け、
不定期に開放される口から甘い喘ぎを漏らしていた


「やっっ、あっっ、リョー……」
「下着、……来てなくて好都合だったよね」
「そんっっ………、あんっっ」


びくりと肩を震わせて、目を思いっきりつぶる桜乃
リョーマは桜乃に話す間を与えることなく愛撫をひたすらエスカレートさせていく

リョーマは毛立っていないトレーナーの上から舌を這わせた
今までと違う感覚が桜乃を襲う
柔らかいのに凄く感じて
トレーナー一枚を隔てているのに、それがこすれてとんでもない快感を呼び起こす


「んっっはっ、やぁぁんっっ」
「いや?」


意地悪く口元をあげてリョーマは桜乃の顔をのぞき込んだ
桜乃からの返事が返ってくる前に、さらにもう片方の突起も刺激する


「んンっっぁ」


色気の帯びた声はリョーマの欲望をかき立てる
そんなことを知りもせずに桜乃は漏れる声を必死に抑制しようとしていた


「リョ……マ、くんっっ…………ぁっ、やっっ」


まだ抵抗する意志が残っているのか、桜乃はもぞもぞと身をよじっている
抵抗されるのは面倒だが、その姿は彼女の秘められた色気をかもし出していた

リョーマの中に渦巻く黒い欲望がだんだんと濃くなってゆく



「りょぉま…くぅんっっ」

桜乃は両手を目の上にかぶせて、
リョーマの名前をいつもとは全く違う声で呼んだ
そんな声で呼ばれたら、ほんのすこし残っていた理性さえも吹き飛んでしまう

リョーマは桜乃のトレーナーを邪魔そうに捲り上げて
片は舌で、片は指先で乳房に刺激を与え続けた
桜乃は始終声を漏らし続け、どこまでもリョーマを誘う

が、もうすでにリョーマの我慢の限界は達していた
欲が下半身に集中するのをこれ以上我慢できないと脳からの指令が下る
と同時に彼の手が桜乃のズボンにするりと滑り込む


「!えっ、や、やだっ、リョーマ君っっ」


顔を覆っていた両手が、咄嗟にリョーマの手を止めようと伸びる
しかし、腑抜ふぬけになった桜乃の力はリョーマの片手の力よりも弱い
すぐに頭の上で両手を押さえつけられて、あっけなく桜乃の抵抗は防ぎ込まれた

リョーマは当然予想はしていただろうけれど、
ズボンの下にも布の隔たりはなかった

ズボンの中は男のリョーマには未知なる世界
そこに手を入れて、暖かく湿った空気に心臓を跳ね上がらせる
指先から伝わる感覚が、リョーマの全てを支配していく
手に触れる柔らかな感触が、次の行為への欲望をさらに後押しした

桜乃の割れ目をツツッと撫でて、場所を探る



「んんっっ、んっ」


声をこらえ、股を閉じようとする桜乃
懲りずに抵抗する桜乃に、お仕置き、とでも言うように
リョーマは耳元まで口をもっていき、悪魔のようなささやきを吹きかけた


「抵抗しても無駄ってわからない?」


リョーマのハスキーな声は桜乃の身体をたちまち痺れさせる
その瞬間を逃さず、一気に足を開かせると、
桜乃から溢れる蜜の出所に指をヌチュリと挿入した


「んぁっんっっ、はぁっ、ぁっ」


静かな部屋には、クチュクチュといういやらしい音と、桜乃の喘ぎが響く


「もっ、やぁっ、リョー…っっあぁ」


中をかき回すリョーマの手と、
それに答えるように声を漏らす桜乃


「もう十分だよね?」


そういって、一気に桜乃のズボンを下げると
リョーマはズボンのジッパーを下ろし、そこから欲望に満ちたブツを取り出した

さく・・…」

微妙に息が切れたかすれた声でリョーマは囁く
桜乃はその声に、つぶっていた瞳をうっすらと開けた

視界にはリョーマの色っぽい表情がアップで映る
そんな顔を見たことない桜乃は心臓が止まりそうなほどドキリとして、目をそらした


「リョー…」
「何も考えられなくしてアゲル」
「っ!?」


リョーマが意味深な言葉をささやいた瞬間、桜乃の下半身にとんでもない痛みが走った



「いっっ!……あっっ、リョー、マ、くんっっ、あぁっっ」
「っっ」


顔を歪ませて、痛みに声を溢れさせる
グチュリと蜜をまとって桜乃の中に進入していくリョーマもまた
片目をつぶり、どことなくつらそうな表情を見せる


「さ……くのっっ」


切れる息に混じって、桜乃の耳に低く声が聞こえた


「んっっあぁんっ、ぃっ、ぁっっ」


リョーマの手が桜乃の両手を開放したと同時に、
挿入がさらに奥へと進む
桜乃の細い腰を支え、リョーマは自分の腰を上下させる

それに呼応するように桜乃の声も定期的に漏れていった


「はぁっ、はっ、ぁっ、んっ」


痛みに耐え切れずこぼれる涙は、
頬をつたってまた髪を濡らす
なまめかしくつやをおびる桜乃の髪は、造作なく床に広がっている


「りょぉ、やっ、あっっ、んっはっ」


リョーマの唾液によって濡らされた桜乃の身体は、
さらにリョーマを狂わせる
その狂いが、動作に表われ、桜乃に伝わる

今や、桜乃の身体は桜乃自信の意思と全く別のものとなっていた


「あ、あ、………あぁっ」


桜乃を突き上げ続けるリョーマにも限界がきたのか、
顔を大きく歪ませる
うめくような小さな声を漏らし、大きく息を切らせている


「リョー、マッ、くんっ………あっっ」
「さくの……」


リョーマは急に腰の動きを止めた
するとそっと桜乃の頬に手を添える

動きを止められたことで下半身の痛みがなくなり、桜乃の甘い声も止まった


「俺………、」
「…?」


狂おしいほど求めている
この、小さな少女を


「こんなこと思うのは……他に誰もいないから…」
「……え…?」


涙を瞳に含んだままリョーマを見つめる桜乃
鼻を赤くし、頬はチークをぬったように紅潮している
その上さらに、その身体はリョーマが開発した彼女の色気を醸し出している


「……もう、手加減なんかできないっ」
「っっ」


言った瞬間、リョーマは勢いよく桜乃の秘部を突き上げた


「んっはぁんっ、あ、あ、あぁっっ」
「くっ…」


床に両手を付き、腰を激しく上下するリョーマ
その動きはさっきよりも格段に早く、力強いものだった


「あぁんっ、リョー…、はぁんっ、や、あっ、んっっ」
「もっ………、ぁ……」
「ひっ、ぁぁんっ」


短い声がリョーマの口から漏れるのと同時に歪んだリョーマの顔が、ふと緩む
リョーマの欲が、桜乃の中で果てたのだった

桜乃の秘部からは、ネットリとした蜜をまとったブツが抜き取られる
すると、さっきまで涙を流して、身体全体で喘いでいた桜乃は
くたりと目を閉じ、しばらくその瞳を開けることはなかった

桜乃の秘部から流れる白濁の液
リョーマの胸はしばらく高く鳴っておさまることはなかった





桜乃の中に見た「女」の性
女性として完全に出来上がっていない桜乃に
リョーマはとんでもない衝動を感じて抑えきれなくなってしまった

こんなことをするはずじゃなかった

そんなことを心で何度もつぶやいたって、今更だ





汗と涙でまみれた桜乃の顔をしばらくみつめると、
その額に軽くキスをして、リョーマはそっと毛布をかけてあげる



「ごめん……」


静まり返った部屋に、リョーマの低い声がぼんやりと響く






窓の外はまだ雨が降り続き、

乾燥機の音はすでに消えていた








この日以来、リョーマは桜乃に貸したトレーナーとズボンをはけなくなったという………








fin.

100ヒット記念キリ番がようやく書きあがりました
お待たせしましたコロラド様
さらにすみません、文章力がとぼしいのであまりドキドキしないし、
しかも説明が長すぎ……
経験がないので、裏はちょっと苦手です、はい、すみませんです。泣。
だれか私を鍛えてくれないですかネェ  (ねぇ?涼子?うふっ)

そしてなんだか、これはエロのためだけに生まれてきた小説ですね…
表においているのとあまりつながりないです。
滴る雫はここでは出てきてないような……汗
すみません、本当に申し訳ないです、もっと勉強します、はい。