だからっ、そんなに思い悩むなって何度言ったらわかる!? 一人で悩んで 一人で突っ走って 相談も、前触れも、何も無くて だから、私をもっと頼ればいいのに ………甘え方、下手なんだよお前!! INSTINCT〜カガリ〜2 男女関係の延長線上 それは、人間という種の永続を願う行為がある 代々の血筋を絶やさぬために 人間という種を絶やさぬために 生き物は皆、この地上に自分の種をまくのだ そして、彼も……… 「カガリ……」 「っっ」 「頼む………。こっちを向いてくれないか…?」 しょげた声、それがすぐわかる もういい年なのに、その声はまだ少年で、カガリの体の奥をくすぐる でも、簡単には許してやらない 「嫌いだ」 一言吐き捨てるように、言う 顔を両手で覆っているせいで、こもった声になった が、それははっきりと、重くアスランの胸へと突き刺さる 「お前なんか……もう知らない」 「っっカガ…」 「知らないったら知らない!!どっか行けよっ」 「っっ…」 ぎゅっとベッドの上で小さく縮こまるカガリをアスランは成すすべなく呆然と見下ろす カガリの足元をまたぐようにして膝立ちになっているアスラン 今更になって、どれだけカガリを傷つけたのかを思い、困惑している様子だ 後悔したって、過ぎ去った時間は巻き戻しがきかない ならば……許してもらう方法はただ一つ 「っご…めん……」 のどの奥から詰まるような言葉がカガリの耳へ届いた 掠れるような、か細い声 「ごめん……っ、カガリ……」 その声は優しく、空気の中に溶け込んでいっているようだった それでいて、カガリの心をくすぐってはやまない声 カガリは、本当はこの声が好きで好きでたまらないのに…… 「ごめんカガリ……。でもっ俺………、ぁ……っご……めん」 何かを言おうとしては、躊躇し謝る そんな姿を、目前にしなくともカガリは容易に想像できた アスランを拒絶するカガリを、切ない顔をして見下ろしているはず そう、今にも泣きそうな瞳をして カガリへ届く声が、視線が、思いが、痛いほどそのことを伝えていた 「なんだよっ、何か言いたいことあるんじゃないのかよっ」 「ぇっ」 未だに顔はアスランへ向けないものの、やっとカガリは口を開いた 何度も何度も謝られて、少しは言い分を聞く気になったのだろうか けれど、カガリの声はぶっきらぼうで鋭いトゲが思いっきり突き出ている 「何も無いなら私の上から…」 「俺っっ!……俺……は……」 また突き放される、という恐怖からか アスランはカガリの言葉を遮った 「俺…も、男だから……」 「はぁ?」 思わずカガリは顔を覆っていた手をどけ、アスランを睨むように見上げた 「カガリが可愛いと思うし、愛しいと思うし、傍にいたら抱きしめたい…って思うから…」 予想だにしなかった言葉が、カガリの心臓に衝撃を与える 起き上がることも忘れ、ベッドに倒れたままカガリは切なそうなアスランの顔色を見上げていた 「カガリは変なところで無頓着で、怖い」 途切れ途切れの言葉は、それぞれ文としては成り立たない …が、アスランの思いが、そのうつむく表情と詰まる声から胸が痛むほど伝わってくる 「これ以上、俺を掻き乱さないでくれないか……、もう…限界だ…」 アスランは、完全にカガリから顔を背けた 語尾は掠れ、搾り出すほどの声は痛々しくカガリの胸を刺す 「限界……なんだ。」 何の「限界」なのか それは、たった今体験した一部始終があるからこそカガリには容易に検討がついた つまりは、「理性」だ けれど、カガリ自身何がこんなにもアスランを苦しめているのかわからない カガリがアスランを掻き乱すという なら、カガリの何が、アスランを掻き乱すというのか つらそうなアスランをみても、自分がどうすればいいのかがわからない でも…… カガリは改めて感じた アスランの中の「男性」という生き物に 自分とは違う体つき 声も、体の性質も、女のカガリとは違うもの 「だから………、カガリ……」 そんな顔されたら…こっちが悪者じゃないか 不満げな顔をするカガリの姿など、アスランからは見えない 完全に落ち込んで、カガリから目を逸らし、肩を落としている そんな風になる前にもっと自然なやり方がなかったのだろうか 「お前は人を頼るってこと知らないのか!?」 「っぇ?」 上半身を起し、怒鳴るようにカガリは言った キンッと耳鳴りのように響いた彼女の声にアスランはポカンとした瞳で見つめ返す 「私だって……っ私だってわかってるさっ!!」 そう、人は種を絶やさぬようにと、そのための本能がある 愛するものと結婚し、その遺伝子を末代まで繋ぐ手段 「わかってるさ、私だって。っだけどっ」 カガリの瞳が潤いを含む 怒っているのに、アスランを睨んでいるのに、その顔には「理解」があって そんな混乱している自分にも言い聞かせているように彼女は泣くのだ 「もっと私を頼れよっ。なんで一人で解決しようとするんだよっ」 「で、でも…そんなこと…」 「私はっ!……っ私…は、アスランにとって役立たずか…?」 「そんなことないさっ。だけど…言えるわけないだろう…?」 人一倍まじめに生きてきただろう 恋に関しても疎そうだ 押しの一手なんて戦争の上でしかわからないだろうし それを恋で応用する器用さを備えているわけでもない 冷静に考えれば、アスランが言っていることの方が正しいようにも思える が……、 「いきなりは……嫌だっ、て…前にも言ったじゃないかっ!」 「っ……。ごめん。」 不器用なアスラン 彼が謝るたびに、彼の声は幼い子供のようになってゆく 痛いのを必死に我慢するような顔 途方に暮れて自暴自棄に陥っているような切なげな顔 普段クールそうに見えるのに、カガリには見せるアスランの素顔 「アスラン」 空気にふわりと乗るようなその声 アスランが顔を上げる間もなく、カガリの両腕が彼を包み込んだ ホント…放っておけないな、お前 何でなんだろうな… 耳元で、聞こえるか聞こえないかの微妙な囁く声 その声に、アスランの胸の内に光が刺す 「女神」という単語がふと彼の中に浮かんだ カガリは、アスランの中でそれほどまでの大きな存在となっている 「わかった…から。」 「?」 カガリがぽつりとつぶやく アスランをそっと抱きしめたままの姿勢で 「だから、ほら。アスラン……。」 「ぇ?」 ほら、アスラン、と言われても…とアスランは目を丸くして呆然とする カガリは未だアスランを抱きしめている 彼女はアスランに何を求めているのだろうか 「っっだ、だか…らっっ」 今更顔を合わせられないのか カガリはアスランから離れようとしない むしろ、アスランがカガリの肩をつかみ離そうとしても頑として動かない 「だから………っだな…」 「…カガリ?」 詰まる言葉 きっと顔は真っ赤になっているだろう カガリは思い、さらに恥ずかしくなった 「お前が………、言ったんだろ」 「っぇ」 アスランの肩が弾かれるように反応した アスランが言ったことは何だったろうか 必死に思い返さずとも、それはただ一つ 「いぃ……のか?カガリ……」 震えているのだろうか アスランの声はうつろで、おぼつかなくて、ふわふわしている カガリはギュッとアスランを抱きしめる 彼女の返事に言葉はいらない それが…………合図なのだから fin. 〔戯言〕 カガリ〜っもうっっ大好きですっっ 彼女の潔さは、アスランの心の支えです。 まったくねぇ、アスランはダメダメですよ。ほんとに。 って、すべて私の中のアスランなんですが、、、、、カガリがしっかり者さんvv でもでもカガリはちゃ〜んと女の子らしく恥じらいは持ってますからね。 またそこがアスランの中でもヒットなんですよ!!! カガリはナイスバディ〜だし、相手に不足なしっっって感じでしょう? 私の妄想、次回はじける!!!完全裏ですが。 |